違いと意味の目安箱

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「飲む」と「呑む」の違い、正しい使い分けを知っていますか?

「飲む」と「呑む」の違い、正しい使い分けを知っていますか?

「飲む」と「呑む」は訓読みが同じ「のむ」という読みなので、同訓異字のひとつである。ただし、「飲む」は常用漢字であるが、「呑む」の方は常用漢字表には含まれず表外漢字となっている。
さてその両方の「のむ」はどのように使い分けされているのだろう。まずは圧倒的に多く使われている「飲む」であるが、ごく普通に液体や流動食などを喉から物理的に飲み込む場合は「飲む」がごく自然に使われている。

また、「薬を飲む」など、液体だけに限らず自分の意志で動作を伴って物を飲み込む場合に使われている。一方、「呑む」のほうはどうであろうか。「呑む」の場合は、固体を飲み込む場合に使われるとも言われるがそうとも言い切れず、「飲む」よりも遥かに広い意味で使われる。
自分の意志で動作として「飲む」のとは明らかに違う使い方である。例えば、固唾を呑む、条件を呑む、涙を呑む、試合前から対戦相手を呑む、洪水に呑まれる等々、自発的な動作としての「飲む」ではなく様々な広い意味合いに使われる。

昔の相場用語で「呑む」とは、仲買人が顧客からもらった注文を自分の懐に隠して取引場に公開しない事とあり、なかなか意味深な言葉なのである。もっとも、酒飲みの間では酒を飲む時に、「飲む」よりも「呑む」の方を好んで使う傾向があるようである。
大酒をガブガブ飲む場合には「飲む」より「呑む」を使うとする資料もあり、飲兵衛よりも呑兵衛の方が格上の大酒のみと言う事になるのだろうか。

ただし、「呑む」は表外漢字であるので、公式の文書では使用されず、現在において、「飲む」と「呑む」どちらが正しいのか二者択一と言われた時には、「飲む」の方が正しいと言う事になるのである。

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