違いと意味の目安箱

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感動と感激

感動と感激

『感動』と『感激』どっちも心が震えるんだから同じじゃないかと思ってしまいますが、感動は何かの刺激に対して受けた感情が心に深く染み入ることを意味し、感激は何かの刺激を強く感じて『深く感動して』気持ちが喜びに奮い立ったり勇気が出たり、気力や励みになることを言います。

上記の説明だとまだ区別がつかないですしどうにもボーダーラインが曖昧なので、さらに深く掘り下げてみます。
例えば、手つかずの大自然のダイナミックで美しい風景が目の前に現れた時には『感動する』と言いますが、感激する所までは難しいです。音楽ホールまで足を延ばしてオーケストラの生演奏で壮大な音楽を聴いた時も感動しますが、感激まではちょっと手が届きませんね。何故ならそこには『他人(から)のプラスの感情』が関わっていないからです。

ではどうすれば感激するかと言えば、他人からの親切とか深い思いやりや優しさとか愛情と言った『プラスの感情』を向けてもらえた時です。それも、想定も期待もしていなかったのに、思いがけずそうしてもらえた時に感動を超えて感激、つまり心が強く揺さぶられ昂ぶるわけです。

記念日に真っ赤なバラの花束を“突然”プレゼントされて“おめでとう!”とお祝いしてもらったりとか、1人でピンチに陥ってどうしてもその状況から抜け出せずに半泣きだったのに“突然”強力で頼もしい助っ人が現れて、“ムリすんな、自分がやってあげるから”と言って、あっと言う間にピンチを解決してくれたりとか、感激の感情には『相手が自分に向けるプラスの感情』が深く関わっているのです。

ここまでは、主観的な意見も含め説明させていただいたもの。
少し難しくなりますが、感動と感激の違いを「感情心理学」な観点から客観的にみますと以下の違いが分かります。

 

感動と感激は感情心理学における異なる概念

感動(Awe)とは
非常に強い感情体験であり、驚嘆や畏敬の念を伴うことが特徴です。感動は、人々が驚くべき出来事や物事に直面したときに起こります。例えば、壮大な自然の風景や美術作品、人間の善行や英雄的な行為などに触れたときに感動を覚えることがあります。感動は、自己の限定感や自己中心的な視点を超越し、広い視野や深い洞察をもたらすことがあります。感動を覚えることは、謙虚さや共感、人間関係の向上に繋がることが研究によって示されています。

感激(Elation)とは
喜びや興奮を伴う感情体験を指します。感激は、楽しい出来事や良いニュースを受けたときに起こることが一般的です。例えば、大きな成功や目標の達成、喜ばしい出来事などによって感激を覚えることがあります。感激は、自己の成功や満足感、興奮や喜びを強調する傾向があります。感激は、自己の自尊心や幸福感を高めることがあります。

感動と感激の違いは、その体験に伴う感情や心理的な状態にあります。感動は、驚嘆や畏敬の念を伴い、自己中心的な視点を超えることがあります。一方、感激は喜びや興奮を伴い、自己の成功や満足感に焦点を当てる傾向があります。

これらの感情は個人によっても異なる場合がありますし、状況や文化によっても影響を受けることがあります。感動と感激は、人々の心理的な豊かさや幸福感を高めることがあり、深い意味や喜びをもたらすことがあります。

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