違いと意味の目安箱

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「絹さや」と「さやえんどう」

「絹さや」と「さやえんどう」

「絹さや」と「さやえんどう」とはいかなる違い・関係にあるのか?
同じじゃないかと言われたらそれまでであるが、よくよく調べてみると、なるほどと納得できる位置関係が見えて来る。

エンドウは世界中で最もポピュラーな豆であるが、大きく分けると、さやが硬くて中の実だけを取り出して食用にする硬莢種(こうきょうしゅ)と、さやが柔らかくて、さやごと食べられる軟莢種(なんきょうしゅ)の二種類に分かれる。

莢とはさやの事である。硬莢種のアオエンドウは日本でもおなじみで豆ごはんや緑の餡にされたりして親しみ深いものである。
また、アカエンドウはミツマメなどによく入っている。もう一方の軟莢種であるが、実はこれが「さやえんどう」の事なのである。軟莢種はさやが柔らかく、未熟な間に収穫してさやごと食用にするものが多い。
「絹さや」はそのうちの一種でさやを食べやすく柔らかく品種改良されたものである。

その他にもスナップエンドウなど豆が成長して大きくなっても、さやごと食べられるものもある。
要するに「さやえんどう」とはさやごと食べられる軟莢種(なんきょうしゅ)全般の事を指すのであり、「絹さや」はその中でも特にさやごと食用にするために改良されたものを言う。だから「絹さや」を「さやえんどう」と呼んでも間違いではない。
ちなみにグリンピースは軟莢種のエンドウの実を成長させて乾燥しないうちに使用するもので、アオエンドウと似てはいるが食感も味も若干違う。

ところで、「絹さや」はなぜわざわざ「絹」がつくのか。一説によると収穫するときの音が、着物が擦れあう音すなわち衣擦れに似ているからと言われている。
「絹さや」は「さやえんどう」よりもずっと艶っぽい名前なのである。

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