違いと意味の目安箱

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ビジネスマンの常識「おざなり」と「なおざり」違い

ビジネスマンの常識「おざなり」と「なおざり」違い

おざなりの語源は「お座成り」である。
宴席や議会の場として使われる座敷での形式的かつ惰性的な取り繕いを揶揄する言葉として使われる。

一方、なおざりの語源は「猶ぞ(そ)あり」である。「猶」(継続の状態を表す)+「そあり」で、気づくべき変化に気づかない、注意を払わない心の状態を揶揄している。

おざなりは行為自体がいい加減であることを表す。用法として~な言葉、~な仕事、~なファッション、など。これらは全て「言う」「仕事をする」「服を着る」といった物理的かつ能動的な行為そのものを修飾している。
なおざりは心の状態が、あまり注意を向けずおろそかであることを表す。
用法としては~な態度、規則を~にする、~に聞き流す、など。動的な要素を含まないのが明らか。

いい加減なのは両者共通しているがおざなりは「いい加減だけど一応はやる。」、なおざりは「ほったらかしにする。」のニュアンスが強い。
例えば「なおざりな電話対応をする」という用法は間違いである。なぜなら電話対応をしているのでほったらかしにしている訳ではないからだ。

これが「対処困難なクレームが相次いだのでなおざりにした。」となると用法として正しいが、職務としては怠慢である。
つまり、対処困難なクレームという事案をほったらかしで何もしなかったことになるからだ。

一方、規則をおざなりにする、だと規則に従う側としての用法なのか規則を作る側としての用法なのか混同する恐れがある。

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