違いと意味の目安箱

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にくい(難い)とがたい(難い)

にくい(難い)とがたい(難い)

どちらも同じ漢字を使うので非常に分かりにくいですが(既に、にくい、と使っていますが)、にくい、と使うのは動詞の連用形(他の動詞や形容詞に繋がる時の活用形)について『わかりにくい』『切りにくい』『食べにくい』『燃えにくい』など、既に存在している事柄に対して理解あるいは行動を起こそうとして見ても思うような結果を得るのが難しく、簡単ではない時に用います。

がたい、も同じく動詞の連用形につきますが、『その動作をすることが困難である』意味合いがあります。
『受け入れがたい』『信じがたい』『忘れがたい』など、どちらかと言えば起きた現象あるいは既に存在している現象に対し、何らかの感情を伴った心理的行動をすることや、心理的精神的に受け入れるのが難しい時に使われます。

例えば(相手の話が)分かりにくい、とは言いますが、分かりがたいとは言いませんね。
相手の話(の内容)と言う事柄に対して理解しようと言う思考的活動をしても、理解できる、と言う結果を得るのが難しいから、「~にくい」と表現できますが、相手の話が自分の感情にひどく訴える内容であって心理的に受け入れるのが難しいと言うのではないのですから、~がたい、と表現するのはおかしいのです。

それとは反対に『がたい』と表現する時は、例えば何らかの不可抗力にとって自分の大切な人と2度と逢えなくなってしまった、その厳然たる事実を『受け入れがたい』とは言いますが、『受け入れにくい』と表現するのも変です。
『受け入れがたい真実』を受け入れるのは困難だし耐えがたい、つまり相当な心理的な苦痛を伴うから『~がたい』。
もしもそんな状況を『受け入れにくい』なんて言ったら、心の機微も分からんヤツだと言うことになりますね。

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