よく俳優さんが「台本読み間違えてしまいまして」等と話しをしていることがあるが、「脚本を読み間違えてしまいまして」という話は聞いたことが無い。
台本と脚本。いったいどういう違いがあるのか。
厳密な意味の線引きという部分では曖昧な部分があるが、端的に説明すれば「脚本」が構成そのもの。「台本」が構成要素なのである。
このストーリーではスタッフがどう動いて、役者がどう動いて、どんな機材を用いて、どこでその機材を使用して・・・などの細かな指定がなされるものを脚本。全体を指示説明するものだ。この第何話では役者がこのようにしゃべって、何をしゃべるか。そのように書かれた出演役者向けのものが台本である。
言ってみればスポーツでいえば脚本はその内容全体を取りまとめる監督的な役割。台本は選手的な役割を果たすものなのだ。
脚本は映画やドラマなどの、主観的にも客観的にも作品として成立している様なものに関してよく使用されるのだが、台本の場合にはバラエティー番組などでもよく聞く「台本通りやれよ!」というようなツッコミからも見受けとれる様に、幅広く作品と捉えた場合にあらゆる場所で使用されているものである。
例えば役者さんがコメントを求められた時に自身の撮影秘話を話す際に「脚本」という言葉を発していたら内容によってはなんだか違和感がある。しかし監督が「脚本」の話をしているのなら自然と耳に入る。知らず知らずのうちに我々視聴者の耳でも自然と「台本」と「脚本」の区別がついているのである。
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