越えると超えるの違い
越えると超えるは、どちらも発音は同じ「こえる」です。しかし、この2つの単語の意味や表現するイメージには大きな違いがあります。
越えるの具体例としまして…
「越える」は、ある地点を通って徐々に越えていく場合に使います。例えば、「険しい山々を越えて、さらに奥地に向かう」のように、ひとつひとつの点を通って着実にポイントのクリアを積み重ねていく様子を指します。目の前にあったものと比較してそれよりも多くなったことを意味しています。ですから時間や場所の移動や変化の時に用いられます。いわばグラフの線やアナログ表示といったらイメージが湧くと思います。
超えるの具体例としまして…
「超える」は、ある地点から次の地点へ向かういう意味では「越える」と同じですが、その方法が異なります。「越える」が着実にクリアしていく様子に対し、「超える」は一気に飛躍して増える様を指しています。用法としては「今年度の予算が1億円を超えた」「人類の限界を超えた」のように、比較するものが無くてもポンとジャンプしたイメージを促す時に使うと考えると良いでしょう。「超」は「超人」などの英語でいう「スーパー」なので、スーパーマンのように目にも止まらない早業で点と点を跳んで繋いで行くのです。
このように「超える」の場合は、数量や限度のようなやや抽象的な概念の比較の時に用いられます。ですからデジタル表示と言ったら良いでしょう。
しかし、両者の違いがあいまいな時もあります。「記録をこえる」という表現だけでは、それが比較できる記録がある場合は「記録を越える」ですが、比較することができない偉業の場合には「記録を超える」になるので、前後の文脈によって使い方が異なることもあります。
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