この二つは同じように見えて、実は全く異なるものであるということを皆さんはご存知でしょうか。
国語辞典を実際に引いてみると、この二つの違いがよくわかります。
「現す」とは、①心に思っていることを表情や言葉、態度などで示すことであり、また②ある特定の意味を伝え示すという場合に用いられます。
例えば、①の場合ですと「不満を顔に表す」であり、②の場合ですと、「花嫁の白無垢は、純潔を表す」などが例文としてあげられます。
それに対して、「現す」とは、隠れていたものが実際に自分の目に見える(確認できる)ようになるときに用いられます。
例文としては、①隠れていたものが「物や人、動物」など実際に形あるものである場合は、「犯人が姿を現す」というふうに表現できます。そして、②隠れていたものが「力や才能など」の場合、それらが力を発揮して何かしらの結果につながった場合、つまり、力が結果として見えたと考えるので、「努力がテスト結果に表れた」という具合に表現されます。
他にも「あらわす」には、この二つ以外に「顕す」「著す」などもありますが、簡単な見分け方として、次の点をそれぞれ押さえておくとよいでしょう。
①「表す」は、気持ちや意味を出すときに使い、「現す」は、姿や能力などを外側に見せるときに用います。③「顕す」は、よい行ない、徳といった道徳的なものを表現するときであり、④「著す」は書物などのときに使われます。
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