懐石料理と会席料理、どちらも格式と伝統にのっとった風流な料理をさす言葉ですが、懐石料理の『懐石』は『温石』(おんじゃく)とも言って、冬の寒さや病気の際に体を温める為や禅僧が空腹をしのぐ為に、焼いた軽石や瓦を袋に入れて懐を温めること及び懐を温めるために焼いた石や瓦に由来します。
一方、会席料理の『会席』は複数人数が会合で集まった寄り合いの席、狭義では俳句を詠み合う為に設けられた席の事を言います。
『懐石料理』は茶の湯(茶道)で出す簡単な料理ですが、『温石=懐石』つまり体を温める石から転じて、『腹を温める程度の軽い料理』と言う意味合いになったものです。 客人を招いてお茶をもてなす際に抹茶を頂く前に出される食事で、お茶を頂く前の空腹を満たすものであり、『お茶』を頂くことがメインなので少量の食事でいいわけです。
まずご飯や汁物が出され、最後にお酒が供されます。もともとは『茶の湯で出される少量の料理』だったのですが、現代では『お茶の席』と言う空間や概念を離れ『少量の料理をゆっくり頂く』コース料理を『懐石料理』と呼ぶようになってきました。
一方、会席料理は料理を一品ずつ皿に盛って、漆塗りで脚のついていない大型の膳に載せて出す、宴席における上等な料理を指します。
お酒と共に出され、お酒を楽しむ食事と言う意味合いがあります。伝統的な日本料理には『本膳料理・懐石料理・懐石料理』の3つがありましたが、時代とともに本膳料理は廃れて姿を消してきており、代わりにそれを簡素化したものとして出てきたのが懐石料理です。
『懐石』料理とは逆に、まずお酒が出され、それからご飯や汁物が出てくるパターンが多いですが、『懐石』料理とは違い、10種類近くもの料理が出される豪勢な内容になっています。
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