足と脚の違い
人間は二足歩行で歩いている。そして足を動かしているのが2本の脚である。
全く混乱してしまいそうな言葉だ。足を動かしているのが脚?似たような言葉が並んでいる。
間違いではないのかと目を疑うかもしれないが、実は多少なりとも線引きがある。
医学的に足と使う場合には、足骨など、人の末端部分に対してのみ使用されている。
それに対し脚は医学的には特にはっきりさせておらず、生物学的な言葉としてはムカデやヤスデなどで「歩脚」など「脚(キャク)」という言葉で表される事がある。しかしこれはあくまで総称的な呼び方であり、節足動物とも呼ばれることからこちらも「足」として認識されている。
人間の例えでいえば脚は骨盤辺りから足首までの支えの部分。そしてその先端部分を足と呼ばれる。ここからもわかる通り、足は末端部分、脚はその末端部分を動かす支えの部分なのだ。
また、脚という言葉は「力強さ」を表わす場合にも使用される。脚力、馬脚などである。それに対して足力、馬足とは使われない。
反対に力強さを表わさない場合。動かす支えの部分を表わす場合には足でも脚でも間違いではない。つまり足は単称的・部分的な言葉であり、脚は総称的な言葉なのである。
広く考えれば両方とも脚であり、足なのだが、細かく使っているカテゴリやシーンを見ていく事でその違いが見えてくる。日常会話の中で自然とアシ。キャク。と使い分けているので、その時の漢字のイメージを思い浮かべる必要は無い。
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