慣れると馴れるの違い
「慣れる」と「馴れる」ですがそれぞれ部首が『(りっしんべん=心)』と『馬(うまへん=動物)』なので、前者は心理的なもの、後者は主に動物に関係する表現になります。
『慣れる』はその状況が当たりまえだと感じるようになることで、『馴れる』は動物が人に懐くことや初対面の相手と打ち解けることを意味します。
『慣れる』は、その状況がいつも続くので当たり前になってしまって特別だとも異常だとも思わなくなること、あるいはいつもその行動をしているので習熟・上達すること、同じ衣服や道具やツールをいつも利用しているので板に付くことを意味します。
慣れるの使い方として…
不便な田舎で生活をしていて最初は何かと買い物やら交通機関やらで不便を感じていたが、何ヶ月も何年もその生活を続けているうちにすっかりそれが自分にとって当たり前になったりですとか、いつも金欠で窮屈な日々を送っていたけれどいつの間にか金欠が当たりまえになって平気になってしまったりですとか、パソコンを使い始めたばかりの頃は「このキーを押したらブッ壊れるんじゃないかしら」とビクビクしながら使っていたのに、何年か使っているうちに、「あー、いきなり電源切ったって別にどうってことないし」と言うまでになっていたりですとか、『その状況が何ともなくなって当たり前になった・道具や機械に熟達した』のが『慣れる』です。
馴れるの使い方として…
人間同士あるいは人間と動物が初顔合わせした当初は(双方が)警戒心を持って距離を保ち、相手の出方や様子を窺っていたのが、だんだん動物が(相手の人間が)その人間に対して警戒心を解くようになって懐いたりなじんだりすることが『馴れる』で、『馴れ初め』なんて言う初々しさ満載の表現もあるくらいですが、親しくなりすぎて節度がなくなり、無遠慮になって礼を欠く所まで行ってしまいますと『馴れる』どころではなくなり、同じ読みではあっても『狎れる』(親しくなりすぎて礼節を欠くと言う意味の『なれる』)になってしまいます。
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